例えば新宿駅を出てみると民家がまったく見当たりません
上京してきた人たちに、東京に来てみて驚いたことは何かを聞くと、大抵は家がなかったことだと答えます
実際、都心部ではいつでも溢れかえるほどの人たちが外を歩いていますが、彼らは家がないので外を歩いています
夜になると人がいなくなったように見えますが、暗いので見えないだけであり、彼らはそこにいます
もちろん東京にも建物に住んでいる人たちはいますが、建物の中で一日を終えるので目にする機会はほぼありません
一生建物から出てこない連中がいる一方で、無限に外を歩き回る人々もいるという極端な環境なのが現在の東京なのであり、そこで人間らしい生活が送れるかは疑問です
人間らしい生活というのは、すぐ通える範囲にスーパーがあることを指すため、スーパーの見当たらない都心部では人間らしい生活は成り立たないのです
しかし、彼らはせめて別の手段で人間らしさを取り戻そうとした結果、日本の様々なブームが東京から巻き起こっています
スーパーに通えないので、別の面で人間らしさを補おうとしているのです
ブームとは一種のコミュニケーションツールであり、意思疎通も人間らしさに不可欠な要素です
また、コミュニケーションそのものを助ける情報通信技術も東京がスタート地点となっているのは自然といえるでしょう
このように、新しい技術や流行は、バランスのとれた環境ではなく、歪で偏った環境から生まれてくることがわかります
スーパーのないところからイノベーションが起こるということを決して忘れないでください