ロードローラーという車があることは多くの人々が知っていると思いますが、不思議なくらい街中で見かけません
では、ふだんロードローラーはどこを走っているのか
路地です
ロードローラーは安全性と安定性を突き詰めた結果生まれた車で、以前は教習車として使われていました
ふつう、自動車は対向車線と仕切りのないノーガードの道を走っています
そのため、ハンドルを少し切っただけで容易に事故を起こせる危険性があります
また、もし走行中にゴムの四輪のタイヤに穴が空いたり取れたりしたらどうなるか
バランスを崩して対向車や建物に突っ込んで大事故になります
そのような事故を防ぐため、ロードローラーは横に長い鉄のタイヤを車両に取り付けることで、あり得ないほどの安定性と安全性能を実現しました
しかし、教習車はあくまで練習目的の車なのであり、いわば本番であるノーガードの道を走らせることは死を意味します
そのため、ミニ四駆のコースのように両サイドをブロック塀や柵で塞ぎ、道に沿って安全に進めるように幅の狭い道、つまりは路地が作られたというわけです
いつからか地域住民は路地を日常の徒歩移動のために使うようになりましたが、本来、路地はロードローラー用の車道なので、いつ鉢合わせしてもおかしくはありません
地域住民とロードローラーが鉢合わせするとどうなるか
ロードローラーは運転練習のために路地を走っているのであり、練習で求められる運転以外は許可されないのでバックできません
一方の地域住民はショートカットをするために路地を通っているのであり、ここで引き返したらショートカットの意味がなくなるので前進し続けます
このようにして毎日どこかで悲しい事故が起きています
人間の脳が進化してロードローラーに対応できるようになるには恐らくあと数千年はかかるとみられ、神は大地を創った後にまずロードローラーを作るべきだったと一部のキリスト教徒の間で囁かれています